凝固点降下と間隙水圧

マグマと凝固点降下の関係って

 

 プレート沈み込み境界でマグマが生成する要因として、多くの本に“水は岩石の融点を下げる。”だの“沈み込んだプレートから放出された水が加わり、融点が下がるためにマグマが生成される。”だのという記載が見られる。ん?なんでだ、と思った方も多いだろう。

 

回答として、住田(2000)を参照させて頂くと、

どうやら凝固点降下が生じているという論文に行き着いた。


凝固点降下って

 

ある純物質の液体に不純物として別の混ぜ物をしてそれを凝固させようとしたとき、普通その凝固点が純物質の凝固点よりも低い温度になる。これが、マグマ発生に大きく関係しているということだ。化学的にいうと、もともとケイ酸塩の酸素(O2-)だったものが、水分子から水素を一つもらうことにより別のもの(OH-)になってしまうのが原因らしい。うーん、わかったような気もする。

 

間隙圧って

 

話が変わるが、ここでもしばしば登場するのが、間隙圧。

ん?普通の圧力と違うのか?
私たちが耳にするのは大気圧(空気重さの積算)だろう、、それが間隙圧も間隙水圧の場合は(地下に存在する)水や地層の重さの積算になるだけ。

あとは、順々に足していこう。

【地質】炭酸塩岩

炭酸塩岩って

 

 

炭酸塩から成る岩石(炭酸塩岩)には、石灰岩・チャートというものがある。それらは、石灰質やケイ酸質の部位を持つ“生物”が死ぬと、固まり、続成作用を経て炭酸塩岩が生成される。

炭酸塩岩も堆積岩の一つとしてカウントされることが多い。ただし、堆積岩中の砕屑岩は運ばれる過程で岩石が物理的に変化するのに対し、炭酸塩岩はその場で生じるというイメージの違いがあるだろう。

石灰岩は、ご存知のようにサンゴ礁や有孔虫の一種であるフズリナなどの死骸が集まって固まったものだ。放散虫などのケイ酸成分の殻を持つ生物から出来た岩石はチャートと呼ぶ。

(ただし、Ooliticという生物起源ではないが、非常に貯留層に重要な角の取れた丸い炭酸塩の砂がある。 角が取れているのは、非常に強い潮の流れの影響を受けたため。)

(ちなみに、オーストラリアにはストロマトライトと呼ばれる、先カンブリア時代の層状構造を持つ石灰岩が存在する。シアノバクテリアと呼ばれる地球に最初の酸素をもたらした生物から成るという。是非とも一度は見に行きたいものだ。)

 

炭酸塩岩貯留層って 

 

炭酸塩岩は、石油業界にとってもよく扱われる岩石なので、ここからどのような特徴があるのかを見てみよう。

貯留層といえば、砂岩というイメージだと思う。砂岩から成る貯留槽の質は、主に粒形や分級などで特徴付けされる。それに対して、炭酸塩岩貯留層の質の場合は、どんな生物から成るのか、その後の化学的、物理的なプロセスに関しても考慮する必要があるのだ。特に、この後登場する続成作用が重要になってくる。ここでの話を纏めると、砕屑岩貯留層よりも炭酸塩貯留層の方が多様であるということである。

 

炭酸塩岩ってどこで生じるの

 

炭酸塩の生成に適した場所として、温かい浅海の多少波のある場所が挙げられる。

この条件を満たしているのは、低緯度の地域。オーストラリアではグレートバリアリーフが存在する。

炭酸塩岩は、海岸線というより浅瀬で発達するということを言ったが、特に、海岸線に平行に発達しているのが特徴である。ただし、海水面がコロコロ変わるために、ボーリングなどを行った場合は岩相がコロコロ(繰りかえし A,B,C,A,Bなど)と変化するのも特徴である。

 

死骸から岩石へ

 

堆積後に生じる過程には、以下のものがある。

 

続成作用*堆積物が固まって堆積岩になる作用で、以下のような2つの方向の作用。

この続成作用によって、例えば、石灰泥が初期に70%の孔隙率を持っていたとしても、コンパクションや排水作用によって、密な石灰岩に変化する。

 

物理的続成作用:

砕屑物が上載圧力を受け、粒子間の隙間が詰まったり、粒子間の水が排水に伴って抜けたりする圧密現象(コンソリデーション)と呼ばれる物理的作用を中心とする。

 

化学的続成作用:

地下水に溶け込んだ成分(炭酸カルシウムや二酸化ケイ素など)が晶出し、長期間を経て、粒子間結合部およびその周辺に化学生成物を析出し、固結力を高める(膠結:セメンテーション)作用等。

物理的作用と化学的作用は堆積終了と同時にスタートするが、初期は主に圧密に伴う物理的作用が支配的で、その終了の後、数万年もの長期にわたって化学的続成作用が続く。なお、化学的作用は、固結した堆積岩が掘削などによって表層に露頭し、乾湿繰り返しや凍結融解などの風化作用を受けると次第に消失して強度低下をもたらし、さまざまな工学的問題を引き起こす場合がある。 (wikiより)

 

埋没ドロマイト化作用*

石灰岩中のCaCO3がドロマイト(苦灰石あるいは白雲石)CaMg(CO3)2によって置換される現象をいう。石灰岩は堆積時に海水と反応したり,続成作用の段階で地下水の作用を受けたりして,容易にドロストーンに変化する。この際に、CaイオンよりもMgイオンの方がわずかに小さいため、孔隙率が僅かに増加し、浸透率はあまり変化なし。

  • (約8パーセントから9パーセントへ変化)

 

フラクチャーの増加*

このフラクチャーの有り無しも、孔隙率や浸透率への影響を及ぼす。ただ全孔隙率はほとんど変化がないが、浸透率に関しては劇的に増加。

 

と、ここでとりあえず第一回目のまとめ終了。

 

 

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お疲れ様でした。